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クロッキー会への参加──動きの中で、線をつかむ。「ムービングクロッキー」《Mode Croquis》

9月18日
読了時間: 6分
大胆な太い線で、動きを捉えたクロッキー作品。2点。
|Mode Croquis|瞬間をとらえる数秒間ドローイング

2026年9月13日。少しだけ曇っている日曜日。


佐上さん主催の「小さなクロッキー会」に、今回もまたお邪魔させていただきました。


今回は、モデルにダンサーの方を招いての「ムービングクロッキー」でした。


クロッキーはもう何年も描いてきていますが、実はムービングクロッキーを本格的に描くのは今回が初めて。

初めてですが、無論「モードクロッキー」としてのエッセンスを、ふんだんに入れつつ描くことに変わりはありません。


さてさて、いったいどんな感じになるのか。

非常に楽しみで、わくわくしながら参加させていただきました。 「江之子島文化芸術創造センター」は古い建物ですが、それゆえに味があり、いつ来てもここはアートの匂いがします。 (内部はリノベーションされ綺麗に整えられています。)


地下にはカフェや雑貨・Book Shopが併設され、ゆったりした時間も楽しめる創りが、事務所ビルっぽくなくて、良い雰囲気を醸し出しています。



大阪府立江之子島文化芸術創造センターの外観。併設のカフェの看板と飲食できるパティオの写真。
【大阪府立江之子島文化芸術創造センター:外】地下にはカフェが併設され、中庭パティオでもお茶を楽しめる。

大阪府立江之子島文化芸術創造センターの1階受付。地下1Fの雑貨・Book Shopとカフェの様子。
【大阪府立江之子島文化芸術創造センター:内】左:1F受付。中央:雑貨・Book Shop。カフェは外のパティオと繋がっている。



■クロッキーの時間:ムービングクロッキー

今回は、音楽に合わせダンスをするとのことで、通常の部屋ではなく、スタジオでした。

今回ムービングクロッキーを行った地下スタジオ。天井は高く、防音もしっかりしている。壁面には大きな姿見も設置。
【地下スタジオ】地下のカフェを横切り、その奥にスタジオがある。ちょっとしたライブくらいは開けそうな広さ。

時間になると、プロダンサーの方によるダンスが、まずはゆっくりと始まりました。


音楽に合わせて、ダンサーの方が体を動かしていきます。


予想していた通りですが、ポーズが止まらないので、形をデッサンするというのはとても難しかったです。


それを見越してのゆっくりな動きですが、それでも形を追うのは難しいです。


まず、3分ほどの短い時間から始まりました。


さすがプロの方、動きが優雅です。手足の先まで神経が行き届いた動きでした。



ムービングクロッキーで描いたクロッキーの一部。
【描いたクロッキー】今回のごく一部。いつもの2、3倍は紙を使用した。
クロッキー会の休憩中に作品を見返す参加者と合評会の様子。
【クロッキーを終えて】左:休憩中。右:合評会。各々、描いたクロッキーに興味津々です。

そのまま同じ時間で何ターンか動いてもらい、少し休憩。


休憩中は、描いたクロッキーを見返してみたり、お互いに見せ合ったり。特に、今回は画用紙を大量に使いました。


再開後、もう少し時間を延ばし、同じように動きの中で描いていきました。


今度は途中で数秒、少し止まってもらったりしながら。



普段はもっと早く踊るようなので、ゆっくりはしんどいと思うのですが、その辺はやはりプロですね。


そしてまた少し休憩し、その間に自分のクロッキーを見返したりしつつ、考えてみたりしました。



そしてまた音楽に合わせて踊ってもらいましたが、手が慣れてきていることもあり、今度はダンサーの方の踊りやすいスピードで。


かなり早いので、もう形のデッサンをしっかりしている暇はありませんでした。



アコースティックギターとウクレレの奏者。演奏している様子を描いたクロッキー作品。

また、今回の音楽は、途中にアコースティックギターとウクレレの二重奏による生演奏でのダンスパートもあり、「とても贅沢だ」と思いながら、クロッキーしました。


生の演奏は、臨場感が全然違いますね。


ムービングが終わった後は、時間の許す限り、今回の参加者同士でクロッキー。


最後は、合評会。


皆さんのクロッキーをそれぞれ見て回り、お互いに気づいた点など話したりしつつ終了となりました。





■ 動きと線

今回、本格的にムービングクロッキーをしましたが、通常のクロッキー(デッサン)のように「形」を取るのをメインに置くと、当然とても難しいです。


一方で、身体の動き、流れを全体の中で見るのはとても分かりやすい。線も滑らかになりやすいです。


これは、いつもクロッキーで最も心掛けている「ライブ感のある線」をつかむことに大いにつながります。


「点と点を繋ぐのではなく、全てはつながっている」ことを実感しながら描く感覚。


これらを実感するのには、最適な方法だと思いました。

常に気を付けていることではありますが、再認識できた時間でした。


この感覚が無ければ、生き生きしたクロッキーは描けません。

身体の動きと流れを捉えて描いたムービングクロッキー。通常のクロッキーより滑らかな線が見て取れる。
【流れを捉えるクロッキー】全ての線はつながっている

また、直接的ではなくとも、今回の「生演奏」も、線の抑揚を生むのに寄与してくれていると思います。


これは、たぶんではなく、確実にそうです。 なぜ言い切れるかというと、「テンション」は、線タッチにダイレクトに響くからです。


気持ちが高揚し、ここに居ること、描いていることに、幸せを感じたり、嬉しくなったりすると、内面だけでなく外面の行動に影響が出るのは、これは絵を描かない人でも想像に難くない話のはずです。


念のためですが、これは何もポジティブだから良いとか、ネガティブだから悪いというような話ではなく、「テンション」はアウトプットに影響するというごく当たり前の話です。


ただ、今回のような恩恵を受けるためには、あまりにまじめに「デッサンするぞ!」と意気込んでいると、受けられる恩恵は薄いと思います。


少しの余裕と、緊張感。


この少しの余裕が、「ああ気持ちいいな」という感情を自然と生むと思うのです。

こういう気持ちは、アナログ画材では特に反映されやすい。


だから、その衝動を消さないために「消しゴム」を使うのは少し考える必要があると思うのです。


これらの考え方はクロッキーそのものを「練習」と捉えているのか「作品」と捉えているのかで大きく違ってきます。


もちろん私は、後者で、モードクロッキーとしてクロッキーを「作品」と位置づけ、Modismからの想いをしっかり残したいと常に思っています。


この辺りのことは、『note | 別冊04:クロッキーの意味……「クロッキー」とは?』でも、深掘りしています。





■「ムービングクロッキー」の良さ

反面、形をしっかり取ることはできませんが、途中で一瞬止まってもらったり、最後に通常通りポーズをとってもらったクロッキーを描くと、かなりのスピードで描けることに気づきます。


通常のクロッキーを行うと、時間の流れが遅く感じるのです。


これは、動きの中で描いたことで手と目が慣れることで、流れを伴った滑らかな線を保ちながら、形をとるのもいつもよりスムーズにできるようになる効果があるのではないかと思います。


通常クロッキーにはない、ムービングならではの良い効果です。


これは「モノを観る目の動きと、描いている手の動き」が「連動」するという感覚です。


そこには、あまり余計な考えを挟んでいる余地はありません。


調子が良いときはこの感覚になり、理想的なのですが、ムービングクロッキーはこの状態に、割と強制的に持っていける一つの方法だと思います。


ですから、例えば、クロッキーを描いてもなかなか調子が出ない時の、ウォーミングアップなどにも、良い効果があるのではないかと思います。


最後に掲載しているこのクロッキーも、多分、1分かかっていないと思います。(はっきり覚えていないですが...)


「短時間で描くこと」自体が良いというよりも、本質は、「描きたい」と思った気持ちや感覚を「瞬間的」に捉えることが大事なことで、それが結果的に「短時間」に繋がっているだけだと思うのです。


この辺りの「因果関係」はいくら頭で考えて、理論的には分かっても実感するには、実際描いてみるしかありません。 それがムービング


クロッキーでは「実感」しやすい(かもしれない)というのが、大きな収穫でした。


やっぱり、クロッキーって面白いですね!






▶【作品一覧】Mode Croquis / モードクロッキー

ダンスの中で一瞬ストップしたポーズを捉えたクロッキー作品。
|Mode Croquis|一瞬ストップした瞬間に

 

▶ Instagram - Lab:@shu.natsume

▶ Instagram - Croquis:@shu.natsume.croquis

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